寒天の最大の特徴は、食物繊維が豊富なことです。100%海藻からできているので、成分中のおよそ8割が食物繊維であるうえ、カロリーはほぼゼロ。この食物繊維含有量は、全食品の中でトップです。ただし、実際1食分に使う粉寒天の量は2g程度。そのためおいしく食べるための工夫がポイントになります。例えば、糸寒天を麺の代わりに使えば、一度にたくさんの食物繊維をとることができます。また、見逃してならないのは寒天に含まれるミネラルです。現代人に不足しがちなカルシウムや鉄分、リンなども含まれています。このような栄養素をバランスよく含みながら、カロリーがほとんどない寒天は、腹もちがよいので、食事制限が必要な場合にも強い味方となり、ダイエットはもちろん、あらゆる病気の食事療法に役立つ健康食材といえます。
現代人に不足しているといわれる食物繊維ですが、その正体は、人間の消化酵素では消化されない食品成分のことで、いわば便のもとになるものです。便秘は肥満や肌荒れとも関係の深い、嫌なトラブルです。寒天の食物繊維をたっぷりとると、食べたものが消化器官内を通過して、排出されるまでの時間が短縮されます。通過時間が短くなれば有害物質などが腸内にとどまる時間も減少するので、腸のトラブルのリスクも減ることになります。また、寒天の食物繊維は腸の中で水分を吸収して便をやわらかくするので、便が移動しやすくなると同時に、腸壁を刺激して、ぜん動運動も活発にするため、便が出やすくなるのです。このほかにも、消化吸収するまでの時間を引きのばし、食後の血糖値の上昇を抑える働きや、血液中のコレステロール値を抑える効果も認められています。
私たちが寒天と聞いてまず浮かぶのが食物繊維。寒天ならカロリーも少なく、お通じもよくなる、と夏のダイエットの強力な味方として知られています。さらに最近新たなパワーが発見されました。寒天に含まれるアガロオリゴ糖という成分の働きで、ガンの抑制やリウマチの改善も期待できるという研究結果が発表されたのです。これはすごい！そして天草だけでなく、『豆かんてん』の中に入るエンドウ豆も以前は他社から仕入れていましたが、今ではおいしさにこだわり北海道産の豆を厳選し、自社工場で煮たものを使用しています。プチっとはじける豆の食感は、寒天のわき役として重要な位置をしめています。そんな数々のこだわりの背景には、「良いものをたくさんの人に食べて欲しい」という想いです。つるっとしたのどごしと、プリッとした歯ごたえがおいしい寒天は、いつも冷蔵庫に常備して食べたいもの。
食物繊維を豊富に含む（表参照）
食物繊維は整腸作用がある上、腸内で有用なビフィズス菌
などを増やし、有害物の吸収を防ぐので大腸ガンの予防
という効果もある。
低カロリー食品である。
消化吸収されないため、実質的にカロリーゼロである。
また、体内でも水分を吸う性質があり、少量でも満腹感を得られ、
ダイエット食品として最適である。
凝固力が優れている。
寒天の凝固力は強く、常温（35℃以下）で固まり、簡単には
とけない（溶解温度90~100℃）ので、特に夏場に水羊羹や牛乳羹
などを作るのに適している。
素材そのものの味を生かす。
寒天はほとんど無味無臭のため、他の素材に影響を与えず、味も
変化させない。また、寒天は水分とともに香りも取り込む性質が
ある。このため羊羹なら小豆の風味が、フルーツ羹では果物の
香りが生きることになる。固める食材の味を弱めることなく、
なめらかな舌触りを加味するといえる。
引用・参考文献
その1、その2
・ＮＨＫためしてガッテン 寒天生活（著者／編集：日本放送協会 出版社：アスコム）今、注目されている寒天のすべて（成分、特性の項より引用）
その3
・にんじんCLUB通信：29WEEK 和の涼おやつ（寒天パワーは食物繊維だけじゃない！ 文：食ライター福島氏）を参考
その4
・寒天ものがたり : 和菓子原材料展 / [虎屋] , 1999.5 ( 虎屋文庫資料展 ; 第54回 )より引用
寒天の特性 - 食物繊維を多く含む食品『四訂 食品成分表 1999』 女子栄養大学出版部 データは科学技術庁資源調査会報告より要約
